東北農研市民講座「東北農研で開発した小麦品種」に参加してきました!小麦は人類最古の作物のひとつとされ、今から約1万年前には、すでにその栽培が始められていたと言われています。小麦は世界で最も栽培されている穀物なのです。生産量の多い国は1位が中国(1億3168万9035トン)、2位がインド(9350万トン)、3位がロシア(7329万4568トン)、4位がアメリカ(6285万9050トン)です。ちなみに日本は79万800トンにすぎません。日本の小麦栽培面積は20万ha(水稲は147万ha)で最も栽培面積の広いのは北海道の約12万haです。東北全体では6570haで岩手県は3830haと半分強を占めています。小麦単収のギネス記録はニュージーランドで16.791トン/haで日本の平均単収である約4トン/haの4倍強もあります(ちなみに岩手県は約1.8トン/haしかありません)。冷涼で日射量が多い地域では単収が多い傾向だそうです。岩手県で栽培されている品種は「ゆきちから」(約2000ha)、「ナンブコムギ」(約1000ha)、「銀河のちから」(400-500ha)が主ですが、その他にも多くの品種があることを今回、知りました。かつて「ナンブコムギ」は東北地域で最も多く栽培されていたのですが、現在、小麦縞萎縮病に弱いため収量が低下、栽培性に難があります。しかし、地粉として人気も高く、また、せんべいやパンなどに依然として高い需要があるので小麦縞萎縮病に強い品種の育成が求められています。主力品種の「ゆきちから」は寒雪害に強いのですが、耐穂発芽性と赤カビ病抵抗性に劣る欠点があります。「夏黄金」という品種(今年4月に品種登録)は「ゆきちから」の欠点を改善し、かつ、製パン適性の高い品種(海外小麦に近い生地特性)なので宮城県が全量作付転換することを決めたそうです。面白いと思ったのは、今、大注目のもち小麦「もち姫」。特徴であるモチモチ食感が好評でラーメンやワンタン、パンにも使われているとのことです。日本人の食習慣がかつての米一辺倒とは異なっていることもあり、今後、生産者は国産小麦をもっと頑張って消費者ニーズに合うものを生産していかなければ日本の食料自給率は改善しないと思いました(現在、小麦の食料自給率はたったの14%です!)。東北農研で開発した小麦品種だけでもこれだけたくさんあることがわかったので積極的にチャレンジして国産小麦の生産をしていくことが肝要だと感じました。