お茶漬けの日

 5月17日は「お茶漬けの日」だそうです。煎茶の創始者であり、永谷園創業者の先祖である永谷宗七郎氏の命日であることが由来となって、永谷園の「お茶漬け海苔」が発売されてから60周年記念を迎えたことが関係して2012年に制定された記念日のようです。

 日本人であれば誰もが食べたことがある「お茶漬け」ですが、その中でも永谷園から発売されている「お茶漬け海苔」は定番とも言えます。「お茶漬け海苔」は1952年に発売された商品で今でも宣伝されているロングセラー商品ですね。

 実は、永谷園から発売されているお茶漬けは味によってあられの形が違うのです。「海苔味」以外のあられは丸い粒の形をしています。「鮭」や「梅」といった味は海苔以外にも具材が入っているのでしっかりした食感があります。しかし、「海苔味」については海苔以外の具材が入っておらず、そこで食感を出すために細長い棒状のあられを入れたのだそうです。これが永谷園のお茶漬け海苔の美味しさの秘密だったというわけですね。

 しかし、実はあられはお茶漬けを美味しくするためにもともと入れられたものではなかったのです。お茶漬けの素が開発されたときにはお茶漬けの素を完全に密封できる袋を開発することができず、時間経過とともに水分によってお茶漬けの素がふやけてしまう問題があり、たまたま、あられを入れたところ、お茶漬けの素がふやけずに乾燥しているのを発見したのです。この発見によりあられはお茶漬けを美味しくするためというよりは、お茶漬けの素を乾燥させた状態に保つための乾燥剤として入れられるようになったのです。加工食品のヒット商品にはこのような開発秘話が必ず隠されており、偶然の発見がいい商品に結びつくことが多いです。永谷園のお茶漬け海苔でお茶漬けを作らなくても簡単にお茶漬けをつくることはできますので、自分好みのお茶漬けを作って食べてみてはいかがでしょうか。