毎年6月の第3日曜日は父の日。今年は6月21日です。ヨーロッパのカトリック諸国では、中世以来3月19日に聖ジョセフの日として祝われていますが、アメリカでは、父の日はソノラ・スマート・ドッドという女性の嘆願によって創設され、1910年に6月の第3日曜日に初めて祝われました。ソノラの父親は軍人で、南北戦争から復員した後に男手ひとつで6人の子どもたちを育て上げています。6人兄弟の末っ子だったソノラは父の偉業を称えようと1909年に牧師教会へ「父親へ感謝する日も作ってほしい」と嘆願します。そして1910年6月19日に、初めて父の日の式典が開催されました。しかし、それが一般に浸透するまでには実に6年もの年月がかかったと言われています。きっかけは、1916年の式典で、第29代アメリカ大統領であるウッドロー・ウィルソンが演説したことで、1972年、6月の第3日曜日が父の日として正式に制定されたのでした。1914年に母の日が制定されたのに比べると随分と時間がかかったようです。
ちなみに、父の日が日本に導入され始めたのは1950年代ごろのこと。当時はまだまだ認知度が低く、現在のように一般的な行事として広まったのは1980年代に入ってからだと言われています。デパートなどの商業施設が販売戦略の一環として父の日を取り上げ、そこから一般的に広く浸透していきました。母の日に贈る花は、カーネーションが定番ですが、父の日に贈る花は、バラが一般的だとされています。これは、父の日を作ろうと牧師教会に嘆願した女性・ソノラが、亡き父親のお墓に白いバラを供えたことが由来で、母の日に贈るカーネーションの色と同様に、お父さんが健在であれば赤いバラを、亡くなっていれば白いバラを贈るそうです。
ただし、最近では黄色いバラを贈るという習慣が浸透しています。これは、日本ファーザーズ・デイ委員会が開催する「父の日黄色いリボンキャンペーン」が影響しています。このイベントでは、幸福や喜びの象徴である黄色を父の日のイメージカラーとしています。このことから、父の日には黄色いバラを贈ることが定着しました。黄色いバラには「献身」「さわやか」といった花言葉があり、お父さんへ感謝の気持を伝えるにはぴったりだそうです。ただし、一方で黄色いバラには「嫉妬」などのネガティブな花言葉もあるので、黄色いバラを贈る際は他のお花と組み合わせるようにするといいかもしれません。
黄色いバラと並んで人気なのが、ひまわりです。ひまわりは、夏を象徴するお花で太陽を思わせる黄色い花びらは、見ているだけでも元気が得られます。ちょうど父の日のイメージカラーとも一致し、「憧れ」や「輝き」、「敬慕」といった、ひまわりに込められた花言葉も素敵です。父の日は、家族のためにいつも頑張っているお父さんに感謝の気持ちを伝える大切な日です。今まで父の日をあまりお祝いできていなかったという方には、黄色いバラやひまわりを贈って焼肉でもごちそうしてお父さんをねぎらってあげてはいかがでしょうか。お父さんはきっと感激することでしょう。