小寒とは二十四節気のひとつで、「最も寒い時期の始まり」を意味します。太陽の位置を表す黄経で285度の時をいい、新暦では1月5日~6日頃で、2021年は1月5日にあたります。小寒が「寒の入り」で、立春の前日が「寒の明け」、寒の入りから寒の明けまでの1ヶ月を「寒の内」といいます。ちなみに「寒」とは「最も寒い時期」のことです。「寒中見舞い」を出すのはこの「寒の内」の期間になります。
二十四節気とは古代中国でつくられた暦で、日本では平安時代から使われています。1年を24等分にし、それぞれに名前をつけたものです。二十四節気は太陽の運行に基づいており、1年で最も昼の長い日を夏至、1年で最も昼の短い日を冬至、昼と夜の長さが同じ日を春分・秋分とし、この4つを春・夏・秋・冬の中心として決めた暦です。この4つの節気はあわせて「二至二分(にしにぶん)」と呼ばれています。
この二至二分が二十四節気を決める上での基準となっています。立冬はこの秋分と冬至のちょうど中間の日で、暦の上ではこの日から冬が始まります。冬の節気は立冬、小雪、大雪、冬至、小寒、大寒となっており、小寒は冬の5番目の節気です。また、立春・立夏・立秋・立冬の4つを「四立(しりゅう)」といい、それぞれ春夏秋冬の始まりの日として重要な節気となっており、二至二分と四立をあわせて「八節」といいます。
小寒の時期は日本ではまだお正月気分。関東では1月7日に、関西では1月15日に松飾りをはずし、どんど焼きでお正月の飾り物を焼いて、歳神様を天に送ります。11日は「鏡開き」で、「鏡餅」を割ってかき餅などにして食べます。「鏡餅」は歳神様の依代、あの丸いお餅は三種の神器のひとつ「八咫鏡(やたのかがみ)」をかたどったものだそうです。鏡餅の上に乗せるみかん(本当はダイダイ)もやはり三種の神器のひとつ「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」をかたどっているそうで、畏れ多いものだったのですね。子供の頃から続く習慣として無意識に受け継いでいましたが、天照大神の神話につながる伝統です。